トヨタ自動車は、今年半ばに発売する初の電気自動車(EV)専用モデル「bZ4X」について、国内は定額制(サブスクリプション)限定で提供を始める。当面は、販売店を通じた「売り切り」での販売はしない。定額制にすることで、電池の劣化で下取り価格が著しく下がるといった顧客の不安を考慮した。

 bZ4Xは売れ筋の中型SUV(スポーツ用多目的車)だ。日本仕様の走行可能距離は前輪駆動で500キロ前後(国際的な測定方法のWLTCモード)。価格は明らかにされていないが、英国では4万1950ポンド(約660万円)と発表されている。まずは需要の高い欧米を中心に販売を振り向けるとみられる。

 国内ではトヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」で提供する。EVは電池の劣化により航続距離が短くなり、下取り価格が低くなるとされる。定額制では顧客のこうした懸念がなくなる。KINTOでは、定額制料金にメンテナンス費用が含まれており、電池劣化の際、交換などの対応を受けやすい。

 トヨタにとっても、使い終えた電池の回収がしやすくなり、再利用につなげられる利点がある。超小型EV「シーポッド」も同じ理由で、リース販売に限定している。
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