ウクライナ情勢と“恐怖の均衡” 外交交渉の裏に漂う“核兵器の影”

2/21(月) 16:31配信

プーチン大統領「ロシアの核保有」を強調

会談後の記者会見で、プーチン露大統領は「ウクライナがNATOに加盟し、軍事的手段でクリミアを取り戻すことを決定した場合、
欧州諸国は自動的にロシアとの軍事紛争に巻き込まれることをご存知ですか?」と問いかけた。

つまり、ウクライナ情勢はロシアと欧州諸国の戦争に直結しうることを仄めかしたのである。

その上で「ロシアは世界をリードする核保有国の1つであり、数々の点でこれらの国の多く
(他の核保有国)よりも優れていることも理解している」として、プーチン大統領は、
ロシアが世界有数の強力な核兵器保有国であることをマクロン仏大統領の前で強調した。

フランスもまた、核弾頭の数量ではロシアより少ないものの、戦略核・戦術核兵器の保有国であるのにである。

そして、プーチン大統領は「しかし、勝者はいないだろう」と核戦争の危険性に敢えて触れた。

大量の核兵器を抱えた米ソ、米露は、1955 年以来“恐怖の均衡”状態にある。
こうした状態で、もし核戦争が起こり拡大すれば勝者はいない、とプーチン大統領は言いたかったのかもしれない。

だが、プーチン大統領はそれに続けて「あなたはあなた自身があなたの意志に反して、
この対立に引き込まれることに気付くだろう」とも述べ、
NATO諸国が核戦争に巻き込まれる可能性に事実上触れ、警告した形になった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d228f3c5a263b5fa152a2bead6e8da82ad24ccd0