クレベリン増産裏目で赤字 大幸薬品「コロナ需要読み違えた」

大幸薬品の柴田高社長は22日、最終損益が95億円の赤字となった令和3年12月期連結決算についてオンラインで説明会見を開き、
空間除菌をうたった主力製品「クレベリン」で積極的な増産体制を敷いたことが裏目に出たとし、
「新型コロナウイルス禍の需要を読み間違えた」と語った。

その上で、もう一つの主力製品である胃腸薬「正露丸」の販売強化など事業戦略を再構築する考えを示した。

18日に発表した決算は、最高益を更新した前年から一転し、過去最大の最終赤字となった。
コロナ禍でクレベリンが売れたため増産に踏み切ったが、効果が疑問視され需要が急減。
大量の在庫を抱え、新工場は3年4月から稼働停止に追い込まれている。

柴田社長は「『欠品を許さない』という方針を社員がまともに受け止めてしまった。
世間の需要と予測に大幅な乖離(かいり)があるのに社長の自分が読み間違えた」と言及。

クレベリン増産について、「コロナという人類の天敵と戦う夢を描いたが、そういうものではなかった」と反省を述べた。
https://www.sankei.com/article/20220222-EI55EAEGEVNIFP7IQQSYVE2AT4/