人気ロックミュージシャン、難聴を語る。20年前から読唇、日常生活やライブでの問題とは?(ハフポスト日本版)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f230396be5daeeeb787d06d4abca5930da9546cf

グロールは2月16日にラジオ番組『ハワード・スターン・ショー』に出演。長年の音楽活動で聴力が低下しつつあり、プロのミュージシャンとしてどう対応しているのか語った。

「ディナーの時に横に座ってもらっても、何も理解できない」ため、「どうしようもない。混んでいるレストランは本当に最悪です」と、日常生活においても問題を抱えているという。

また、コロナ禍で人々がマスクを着用するようになったことから、コミュニケーションが非常に難しくなったことも明かした。耳の聞こえない人や難聴の人は、相手の表情や口の動きから情報を読み取る。そのため、マスクによって顔が隠れることで、コミュニケーションに不便さや不安を感じている聴覚障害者が多くいる。

「このパンデミックの中で最悪なことは、みんながマスクをしていること。私は20年くらい読唇をしてきた。自分はロックミュージシャンだけど、耳が聞こえず、あなたが言ってることが聞こえないのです」

グロールは、ミュージシャンという職業を続けてきたことで難聴になったと考えているという。番組のDJのハワード・スターンから、ライブのステージ上で、聴覚を保護するためのイヤーピースを使わない理由について聞かれると、こう答えた。

「ずっと前にイヤーモニターを試したことがあるけれど、問題は、周囲の自然な空間で鳴っているサウンドが遮断されることです。(イヤーモニターをしていると)ステージにいる時の空間認識が狂ってしまいます」

「目の前にいるオーディエンス、そして、後ろを振り返ったときにテイラー、パット、クリス(※編集部注:フー・ファイターズのバンドメンバー)の声が聞こえる状態でいたいんです」

グロールのライブ活動は、ニルヴァーナ時代から30年以上の付き合いになるモニターエンジニアのスタッフによって支えられているという。彼のおかげで、イヤーモニターを使わなくとも「ステージのサウンドは完璧」だと明かした。

一方、アルバムを作るためにスタジオに入り、ミキシング(複数の音源を1つの楽曲にするための作業)をやっている時も、細かい音まで聞くことができるという。

グロールは、「チューニングが狂っていたり、シンバルの明るさが足りなかったりする時も、曲の細部まで聴くことができる」とし、スタジオでの演奏については「思い描くサウンドを実現できている」とコメントした。