さて、加盟国でないウクライナから援助要請を受けたNATOは集団的自衛権を発動できるであろうか。
 ウクライナは現に攻撃を受けており、かつ援助要請を行っているので、NATOが集団的自衛権を発動することは法的には可能である。
 しかし、全会一致を原則とする北大西洋理事会(NAC)で、ウクライナに対する思惑が交錯する全加盟国の合意を得ることは非常に難しいと思われる。
 NATOが集団的自衛権を発動できなければ、米国をはじめとする主要国は有志連合(軍)を組織するかもしれない。