富山のローソンにあふれる、イスラム教徒向け「ハラルフード」 置かれている理由に“胸アツ”(まいどなニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/6dac187af83107528b5fe229b515efe8f3c4e7be

富山湾沿岸部にありきときと(富山弁で新鮮や元気の意味)≠ネ魚が取れる町として知られる富山県射水市新湊地区。ここにちょっと珍しい商品を並べ、注目を集めるローソンがあります。その商品とはイスラム教徒向け食材「ハラルフード」です。置いている理由を店長に聞くと、ある青年の姿が…。胸をアツくした富山市のイラストレーター、山本ちろさんが、店内の様子から食べた感想まで詳しくレポートしてくれました。

【写真】お菓子類もこんなに充実していますよ!

■モスク近くのローソンにハラルコーナー

ハラルフードとは、一般的にイスラム教徒が口にすることを禁じられている豚肉やアルコールを使用していない食品のこと。富山県射水市のローソン新湊津幡江店では、昨年8月から、ハラルフードのコーナーを設けています。

山本さんは偶然、店に立ち寄り、外国のカレーやカップヌードル、ビスケットなどがずらりと並んでいるのを見つけました。射水市新湊地区は、中古車輸出業を営むパキスタン人が多く住んでいて、店の斜め向かいには、県内最大のイスラム教礼拝所「富山モスク」があります。「パキスタンの方々のためなのかなぁ」と思い、その日は眺めるだけで帰りましたが、友人に話すと、カレー好きの日本人の間で注目のスポットと判明! 後日、再び店へ出掛けました。

■一度は諦めるが、アルバイトの青年が悩む姿を見て…

何を買おうか悩んでいたところ、店長の門嶋貴子さんに話しかけられました。そして、ハラルコーナーを設けた理由を聞いてみました。

イスラム教徒の方のために、ハラルフードを店に置けないか考え始めたのは4年半前でした。ローソン本部に打診しましたが、その時は仕入れ先が見つからずに断念しました。諦めてしばらくしたころ、両親がパキスタン出身の青年がアルバイトとして働き始めました。イスラム教徒の彼は、お腹がすいて何か食べようと思っても、簡単には買い物ができません。商品を一つ一つ手に取り、ラベルを見て成分や原材料を確認し、食べられるものを一生懸命に探すんです。その姿を目の当たりにし、ハラルフードを置きたいという思いが再燃しました

門嶋店長は、半年以上掛けて取引先を探して交渉を進め、2021年の8月にハラルコーナーを実現させました。イスラム教徒のお客さんからは「すごいことを始めたね」「私たちのためにありがとう」と感謝の声が相次いだそうです。

■ピラフやカレー、マンゴージュース購入 パキスタンレストラン開店!

店長の優しさと熱意に心を打たれた山本さんは、ハラルフードを購入して友人と食べてみることにしました。門嶋店長が「日本人の口に合いやすい」と教えてくれた商品が中心です。

▽レトルトのマサラベジタブルビリヤニ(野菜とパキスタン米のピラフ)
▽レトルトのチキンハンディーカレー(骨なしチキンのクリーミーなカレー)
▽カップヌードルカリースペシャル(ピリ辛カレー味のスープと、こしのある麺)
▽マンゴージュース
▽ナンカタイビスケット
▽クミンクッキー

■お気に入りは辛み抑えたビリヤニ きなこ味風のビスケットも

気に入ったのは、袋に入ったままお湯で温めたビリヤニで「辛みが抑えられていて、食べやすかったです」と話します。

ナンカタイビスケットは、きなこ風味でサクサクした食感。マンゴージュースは、店長から教わった通り、ヨーグルトと一緒に混ぜて飲むと、濃厚な甘みに爽やかな味わいがプラスされました。

開設当初は15種類だった品ぞろえは、きときと≠ネ店長の熱意によって、現在40種類以上に増え、珍しさにひかれ購入する日本人も多いそうです。山本さんは「近くのコンビニで海外の食品が買えると、手軽に異国情緒を味わえて楽しいですね」と話します。

(まいどなニュース/コノコト)