岸田政権はどのように臨んだ?

別の関係筋は「日本に危機意識がなかったわけではない。ただ、日本とロシアとの関係もある。日ロ関係が悪化して喜ぶのは、
中国と北朝鮮だ。安全保障環境を考えて、ぎりぎりまで情勢を見極めたいという姿勢が、
そのような誤解を生んだのではないか」と語る。

2013年末につくられた国家安全保障戦略は「ロシアとの間では、安全保障及びエネルギー分野を始めとする
あらゆる分野で協力を進め、日ロ関係を全体として高める」と定めている。

政府関係者は当時、「ロシアと中国の2正面作戦は避けるという日本の伝統的な考え方。台頭する中国を牽制するためには、
なるべくロシアと友好関係を維持したいという発想から来ている」と説明していた。

世間では、この戦略について「北方領土を取り返すための方便」という見方が強かった。
実際、ロシアがクリミア併合に動いた2014年、当時の安倍政権は北方領土問題の解決を訴え、制裁には消極的だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/57337c18f1334e6aa00cdd47de598b9eb5d3e8e3