https://news.yahoo.co.jp/articles/af5d7639840a31ce6d7d770cfaa92d3cadde871a
そもそも初動においてコロナウイルスを甘く見て、2020年3月の3連休前に、松井市長が「花見解禁」をぶち上げて大ひんしゅくを買った維新である。その後も安倍-菅自公政権に勝るとも劣らぬコロナ失政のオンパレードとなっていた。

■橋本徹氏のモーレツ擁護で「やってる感」を醸し出す

 見るに見かねた創業者の橋下徹氏が、おもむろにテレビに復帰して以来、吉村府知事と入れ代わり立ち代わり、連日のテレビジャックを繰り広げることとなった。

 当初こそは〈大阪府知事時代、大阪市長時代に徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立病院など〉(20年4月3日)とツイートするなど殊勝に振る舞っていたものの、在阪テレビ局の情報番組に出ずっぱりになるや、橋下、吉村両氏は自分たちの失敗は棚に上げ、安倍-菅自公政権のコロナ失政を手厳しく批判しつづけた。そして、「やってる感」を最大限に醸し出すことに成功したのである。

 口下手の極みともいうべき菅義偉首相(当時)と口から先に生まれたとしか思えない橋下氏や吉村知事との対比はあまりにも鮮やかだ。にわかに吉村人気が沸騰する。吉村氏の目に隈ができていれば「#吉村寝ろ」の書き込みがSNS上に躍り、「吉村さんはイケメンやし、頭もええわ!」などと黄色い声が飛び交う。もはやアイドル並みの扱いだ。こうして維新の大阪におけるコロナ失政の実態はかき消され、自公に対するオルタナティブとして、にわかに維新への注目が集まることとなったのだ。