ロシア軍ウクライナ侵攻が日本の食卓を直撃…回転ずしから「イクラ軍艦」が消える?

 ロシア軍がウクライナ侵攻を開始したことで、日本の食卓にも大きな影響を及ぼす可能性がある。

まずはパンやピザ、カップ麵、うどんなどの小麦加工品だ。ウクライナは、小麦の輸出が世界5位。“欧州のパンかご”と呼ばれる世界有数の小麦の生産地で、一方、ロシアの小麦輸出量は世界1位だ。2017/18年度のロシアの小麦輸出量は4142万トン(農林水産政策研究所)。経済複雑性観測所によれば、2019年のロシアとウクライナの小麦の輸出量は「世界全体の4分の1以上」を占めていたという。

 日本の小麦は約9割が輸入で、ほぼアメリカ、カナダ、オーストラリアの3国に頼っているが、ロシアとウクライナの小麦が世界に出回らなくなれば高騰することは間違いなさそうだ。

 また、アメリカ農務省(USDA)によると、ウクライナのトウモロコシの輸出量(2021/22年度)も約3050万トンで世界4位。ロシアは世界5位だ。日本はトウモロコシを家畜用飼料として9割世界から輸入しているため、国際的な飼料価格の増加の影響を受けることになるし、さらに小麦の高騰に加えて、コーンパンやツナマヨコーンピザも庶民の手に届かなくなるかもしれない。

 そして、日本人がもっとも困るのはファミリーの外食に欠かせない「回転ずし」だろう。国内ではサケマスが不漁で、イクラはここ5年で輸入品が7割程度まで増えている。逆にロシアのサケマスは豊漁で、寿司や丼もので人気のイクラはロシア頼みだからだ。

 連邦税関庁(速報値)によれば、2021年のロシアから日本への水産物の輸出はイクラを主とした「魚卵・肝臓・白子」が金額ベースで58%増加している。「スシロー」や「くら寿司」など大手回転ずしの「イクラ」の多くは、原産地にロシアと表示されている。ロシアからの輸入がストップになれば、回転ずしでイクラが回らなくなるかも?

https://news.yahoo.co.jp/articles/a134a3a2dee433472e982d286c071bac327983ae