都モニタリング会議“感染の長期化懸念 救急も危機的状況”
03月03日 17時00分

東京都のモニタリング会議で、専門家は、都内では一日1万人規模の新型コロナウイルスの新規陽性者が確認される危機的な感染状況のさらなる長期化が懸念されることに加え、救急患者の入院受け入れが極めて困難な危機的状況が続いているとして警戒感を示しました。

3日の会議で、専門家は、都内の感染状況と医療提供体制の警戒レベルを、いずれも4段階のうち最も深刻なレベルで維持しました。
このうち感染状況については、「大規模な感染拡大が継続している」と分析しました。
新規陽性者の7日間平均は、2日時点で1万690人と、前の週の82%に減少しました。
専門家は、先月8日の1万8025人をピークに減少傾向にある一方で、依然として極めて高い値でとどまり、「1万人規模の新規陽性者が発生する危機的な状況のさらなる長期化が懸念される」と指摘しました。

そして、「歓送迎会や卒業パーティーなど年度末前後のイベントによる人の移動の増加やオミクロン株の一種の『BA.2』と呼ばれる系統のウイルスの影響で増加比が上昇すれば、感染が再拡大するおそれがある」としています。
さらに、新規陽性者のなかで10歳未満の割合が最も高く、保育園や幼稚園の休園で欠勤せざるを得ない保護者が増え社会機能の低下が危惧されると警戒感を示しました。

一方、医療提供体制について、専門家は「ひっ迫している」と分析しました。

専門家は、冬は脳卒中や心筋梗塞などの救急患者が多く、一般病床の満床が続いている上医療従事者が感染したり濃厚接触者になったりして人手不足が常態化し、救急患者の受け入れが極めて困難な危機的状況が続いていると指摘しました。
きのう時点で入院患者は3808人、重症の患者は68人と、いずれも前の週からは減少しましたが、患者に占める高齢者の割合が高い値で推移していると説明し、「この状況が長期化すれば医療提供体制がさらにひっ迫する」と警戒感を示しました。



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