【コンスタンティノーブルの防御力】
・北、東、南を海に囲まれた天然の要害
・西側のテオドシウスの壁などの強固な城壁(周囲約26キロ)
・ヴェツィア海軍と金角湾の対岸にある植民都市ガラタの協力
・入り江の金角湾を鎖で封鎖して進入海路を防衛

 テオドシウスの壁は、幅20メートルの水を引いた外堀の中にさらに3段階の壁があり、最も強固な壁は厚さ5メートル、高さ17メートルもの偉容を誇りました。

 首都のすぐ北を囲む金角湾の入り口は狭く、強固な鎖で防衛線が引かれました。東ローマ側の海軍力は、海洋貿易で活躍するヴェネツィアやジェノバの協力で操船に優れており、たった26隻の艦隊にもかかわらず、敵の侵入を許しませんでした。陸海を包囲しても攻略できない要塞都市に苛立ち、メフメト2世はある決断をします。

メフメト2世は、金角湾へ侵入するために、戦艦を陸上に運び丘を超えます。コンスタンティノーブルの対岸にあるヴェネツィア植民都市の裏側の丘を登り、強固な鎖で防衛された金角湾に、戦艦70隻をなんと陸地から侵入させてしまったのです。

 コンスタンティノーブルの防衛側は、戦艦が突然湾内に出現したことに驚愕します。兵力がわずか7000人で持ちこたえていた首都は、金角湾の内側に侵入した70隻の戦艦への対策のため、テオドシウスの壁など西側の防衛から人員を割く必要に迫られます。

 やがて西側の城壁の一角が破られて、オスマン軍の兵士が大挙して首都に侵入。破滅的な状況の中、東ローマのコンスタンティヌス11世は剣を持ち戦闘に参加、彼は乱戦で行方不明となり、東ローマ帝国は1000年の歴史に幕を閉じます
難攻不落の都市を、どう攻略したのか?歴史が教える「常識を超える思考法」 | 戦略は歴史から学べ | ダイヤモンド・オンライン
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