ADHDに対する薬の種類も増え、現在では4剤が使われるようになった。そのうち、塩野義製薬の「インチュニブ」の売り上げは、発売時(2017年)の19億円から、2020年には131億円まで伸びている。

発達障害に使われる薬はいずれも、障害の原因そのものを改善する根本的な治療ではなく、多動性を抑える、集中力を高めるといった対症療法だ。

こうした向精神薬の服用を疑問視する声は、一部の教員たちからも上がっている。「クラスに2〜3人は発達障害で薬を飲んでいる子がいます」。こう話すのは、東京都の公立小学校の宮澤弘道教諭だ。

「効果がないと量を増やされたり、薬の種類を変えられたりする。学校側は『やっとこの子は落ち着いて良かった』と思うけど、要は過剰投与されて、ぼーとしているだけなんですよ。親に話を聞くと、薬を飲んで食欲がなくなり、夕食が食べられなくなってしまっていると。中にはみるみる痩せていってしまう子もいます」

https://toyokeizai.net/articles/-/535848?page=3