チェルノブイリ原発の停電続く 「放射性物質が漏れ出すおそれ」 専門家「直ちに危険及ばない」

ウクライナの原発の状況が、日々、悪化している。

チェルノブイリ原発では電源が失われたほか、ザポリージャ原発では、監視システムからデータの送信が停止したという。

ウクライナ当局は、ロシアの軍事行動によって、チェルノブイリ原発が停電したと発表した。

クレバ外相は、予備の電源が48時間しかもたないとして、使用済み燃料の冷却機能がなくなれば、放射性物質が漏れ出すおそれがあると警告した。

ただ、IAEA(国際原子力機関)は、核燃料を冷却する水の量は十分にあるとしている。

また、IAEAによると、チェルノブイリ原発に続いて、ザポリージャ原発でも監視システムからのデータ送信が停止したという。

これにより、IAEAは、2つの原発の状況を把握できないとして懸念している。

チェルノブイリ原発について、原子炉を専門とする東京都市大学 原子力安全工学科・高木直行教授は、「(チェルノブイリは)20年以上に(わたり)運転停止している。核燃料の崩壊熱の熱の量はどんどん下がってきていて、概算で、数万分の一、数十万分の一、原子炉を止めた直後に比べて、そのくらいの発熱量に落ちている」と述べた。

そのうえで、「直ちに危険は及ばない」と指摘している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd9c88e64e2176dfcdc0eb5843b97db0814d8353