工具所持の男性に「深夜5時間」の取り調べ、東京都に賠償命令

原告の中野健太郎さん
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警視庁の警察官に違法な取り調べ・身体拘束をされたことで、精神的な苦痛を受けたとして、東京都内の工事業者、
中野健太郎さんが国家賠償法に基づき、都に慰謝料などをもとめた訴訟で、東京地裁は3月10日、原告の請求を一部認めて、計22万円の支払いを命じた。

判決などによると、原告の中野さんは2019年2月4日午後9時25分ごろ、都内の路上で作業車を停めていたところ、
警視庁・中野署の警察官に職務質問をされた。その際、車内から工具(ツールナイフやタクティカルペンなど)が
見つかったことから、携帯の理由を聞かれたうえで中野署に任意同行した。

その後、中野さんは、正当な理由もなく工具を携帯していたとして、取り調べを受けて、鑑識資料の作成や、
車内の写真撮影などの捜査をされた。中野署での捜査が終わって、自宅前に戻ったのは、翌午前5時ごろのことだった。
同年4月、嫌疑不十分で不起訴処分となった。

中野さんは同月、東京都を相手取り、慰謝料など計330万円をもとめて提訴した。

中野さん側は、工具は工事業者として所持していたのであり、(1)職務質問は違法で、実質強制力を伴う任意同行だった、
(2)取り調べは、深夜に長時間にわたり、限度を超えていた、
(3)承諾してないのにポケットに手を入れたり、服の上から肛門や男性器を執拗に触るなどの所持品検査をされた
――などと主張していた。
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