https://i.imgur.com/J35Qurq.jpg
https://i.imgur.com/r5J8iDX.jpg

複数のペーパーカンパニー…黒幕の存在 アサリ産地偽装 3/11(金) 20:40配信

熊本県産アサリの出荷停止から1ヵ月、偽装の実態を調べる中で、複雑な手法、黒幕の存在が見えてきました。

数年前までアサリの産地偽装に関わっていた人物が、匿名を条件に取材に応じました。

偽装に関わっていた男性
「産地を変えるということですね。中国産、および韓国産を熊本産アサリという形で。
業者たちは、お客様に売るのに熊本産じゃないと売れないというのが一つ。お客様(業者)側もそれを強く望まれる」

偽装の手法には大きく2つあると語ります。
主に中国産については熊本県内の複数の漁場で蓄養され、その後出荷される手法。

蓄養期間は、短ければわずか数日だったにも関わらず、熊本県産アサリとして出荷していました。

また、韓国産については蓄養もされずに、そのまま熊本県産として出荷。

熊本県内を経由することさえない、いわゆる下関ルートです。

偽装に関わっていた男性
「(偽装が)ひとつの毎日のルーティーンになってましたよね。生活の一部。悪いと、消費者の方に申し訳ないという気持ちは非常に薄かったと思います」

男性や捜査関係者への取材で明らかになった産地偽装のカラクリとは…

男性は水産卸売り業者と結託し、輸入したアサリをスーパーなどに卸すまでに、複数の会社、実態のないペーパーカンパニーを用意します。

このペーパーカンパニーについては、県内の複数の代行運転手に、10万〜20万円を払い、運転手の名義と通帳口座を使っていました。

このいずれかのタイミングで、産地を偽装。こうすることで捜査の手が及んだ時に偽装の黒幕にだどりつきにくくするメリットがあると言います。

1キロ200円ほどだった外国産アサリの価格は、ペーパーカンパニーを経由するごとに価格が上昇。

最終的には仕入れ値の2倍以上の価格につり上がります。

取材に応じた男性は、県産アサリだと示す偽の納品書をペーパー会社名義で作成。スーパーなどに県産アサリだと信じこませていたということです。

(記者)逮捕されるんじゃないかとか不安に思われることはなかったか?

男性
「ほぼなかったような気がしますね。行政の指導が入るから、それをクリアすれば大丈夫だよと聞かされていた。甘い認識でしたね」

男性はこの複雑なシステムを様々な業者に教える、”指南役”がいたと語ります。

捜査関係者によると、県内で今も水産業を営むその”指南役”については、捜査を進めていたものの確証的な物的証拠をつかむことができず、
「捕まえられるなら捕まえて見ろ。俺は捕まるまで偽装をやめない」という趣旨の挑発的な言葉を投げかけられたこともあったといいます。

「(産地偽装は)メリット、利益が出ますね扱う量が多いですから、それだけ国産(アサリ)はないということでしょうか、裏を返せば」

産地偽装を根絶することはできるのか。

熊本県は、アサリの流通を監視し、販売店を認証する「熊本モデル」の構築を急いでいます。

そもそも大潮のときにしかとれないアサリ。

需要と供給の関係にこそ偽装の種があると、専門家は指摘します。

https://news.yahoo.co.jp/articles/34424141f5687481d5ed6bb94f6e0e49cced6826