>>51
当時84歳という年齢で1億円以上のお金を貰えれば、その後は不自由なく暮らしていけるはずだ。大金を前にしても揺るがないエディスさんの強い意思は当時大きな話題を呼んだ。多くの人は「お金持ちの思考に対する反対姿勢を見せているのでは?」と推測したが、エディスさんは「ショッピングモールの開発自体には反対しないが、引っ越しのストレスを避けたい」と立ち退きを拒否したシンプルな理由を明かしていた。
この理由をエディスさんから聞き出したのは、当時ショッピングモール開発の建設管理者としてエディスさんに立ち退きの交渉を持ちかけていたバリー・マーティンさん(Barry Martin)だった。エディスさんは何度も立ち退きを要求するバリーさんを敵視しているかと思われたがそんなことはなく、むしろ交渉がきっかけで友人関係を築いていった。バリーさんはエディスさんを病院へ連れて行ったり、洗濯など日常生活を手伝うなどとても親しくしており、エディスさんが亡くなった2008年にはバリーさんへこの家を引き継いでもらうように意志を残したほどだった。