福島の火力発電所、損壊相次ぐ 東電の供給力に打撃

 福島県沖で16日に起きた最大震度6強、マグニチュード(M)7・4の地震で、同県浜通り地方に立地する火力発電所が相次いで被災した。震源域に最も近い相馬共同火力発電の新地発電所(新地町)は石炭を陸揚げする巨大な設備が損壊、復旧の見通しが立っていない。東北電力の原町火力(南相馬市)も停止中。いずれも東京電力管内へ送電しており、東電の供給力にも打撃を与える結果になった。


損壊した新地発電所の揚炭機2基。それぞれ2本ある「腕」の部分が、支えを失って落下した=福島県新地町
 新地発電所は相馬港に隣接し、石炭燃料の1、2号機はいずれも出力100万キロワット。地震発生時は1号機が運転中で強い揺れで自動停止した。その後の調査で、専用埠頭(ふとう)に4基ある揚炭機のうち2基が大きなダメージを受けたことが分かった。輸送船から石炭を陸揚げする重要な設備で、復旧には相当の時間がかかるとみられている。

 100万キロワットの石炭火力2基がある原町火力も運転中の1号機が地震で自動停止し、ボイラーや燃料用設備の被害が判明した。「被災状況を調査している」(東北電)と、復旧時期の見通しが立っていない。

 新地、原町ともに東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた。「今回は震災を上回る強い揺れによって被災した」(相馬共同火力の担当者)という。

https://kahoku.news/articles/20220320khn000031.html
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