女子生徒の4人に1人が“痴漢被害”に 私立高校が調査 東京

東京 台東区にある私立高校が生徒770人余りを対象に痴漢被害の調査を行ったところ、女子生徒の4人に1人が被害に遭っていたほか、その後の対応について複数回答で聞いたところ「誰にも相談しなかった」生徒が40%に上ったことがわかりました。

専門家は「性暴力の一つである痴漢を、わい小化したり被害者側に落ち度があるといったりする、誤った見方が被害の声を上げさせにくくしている」と指摘しています。

東京 台東区にある私立の岩倉高校は、生徒のおよそ9割が電車通学で、毎年生徒から痴漢被害の相談が寄せられることから、学校は慶応大学で性暴力被害を研究する小笠原和美教授の協力を得て実態調査を行いました。
調査はことし1月、1年生と2年生合わせて770人余りを対象に行い、8.4%にあたる65人が痴漢被害に遭ったことがあると回答しました。

男女別にみると、
▽女子生徒では26.5%で4人に1人に上り、
▽男子生徒も2.9%が被害に遭っていました。

また、被害に遭ったあと、どう対応したかを複数回答で尋ねると、
▽「家族に相談した」が46%
▽「友人に相談した」が44%
▽「警察に相談した」は6%
そして、
▽「誰にも相談しなかった」が40%を占めました。

生徒からは、
▽「痴漢被害をたった一瞬の小さなことだと思わないでほしい」とか
▽「痴漢された人が報告しやすい環境にしてほしい」
などという声が寄せられたということです。

調査に協力した慶応大学の小笠原和美教授は「性暴力の一つである痴漢を、わい小化したり、被害者側に落ち度があるといったりする誤った見方が、被害の声を上げさせにくくしている。
朝、犯罪被害に遭いながら学校に来るというのは大きな問題であり、しかたがない話だと思わせてしまっていたら、積極的に介入していない大人側の責任でもある」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220323/k10013548111000.html

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