日本の対ロ制裁、継続要請 国会演説「援助に感謝」―ウクライナ大統領

ウクライナのゼレンスキー大統領は23日午後、日本の国会でオンライン演説を行った。「アジアで初めてロシアに対する圧力をかけたのが日本だ」と評価。「引き続き、制裁の継続をお願いする」と求めた。

外国要人が日本の国会でオンライン演説を行うのは初めて。ゼレンスキー氏は「日本がすぐ援助の手を差し伸べてくれた。心から感謝する」と表明した。
 ゼレンスキー氏は、1986年に史上最悪の事故を起こしたウクライナ北部のチェルノブイリ原発をロシア軍が占拠した際、多くの放射性物質が空中に拡散したと非難。今回の軍事侵攻の非人道性を改めて糾弾した。
 その上で「サリンなどの化学兵器を使った攻撃もロシアが準備していると報告を受けている」と指摘。「侵略者に対して非常に強い注意をしなければならない。平和を壊してはいけないという強いメッセージが必要だ」と訴えた。
 国連安全保障理事会をめぐっては、常任理事国のロシアが拒否権を行使することで、具体的な行動を起こせないでいる状況を問題視。「機能しなかった。改革が必要だ」と主張した。
 演説はウクライナ側が打診した。衆院議員会館内の国際会議室と多目的ホールに中継され、岸田文雄首相ら衆参両院議員が視聴。ゼレンスキー氏はウクライナ語で11分間演説し、在日ウクライナ大使館側が同時通訳した。

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