わいせつ行為の元教諭 懲戒処分なく表彰 退職後に取り消し 長野
2022/3/25 05:00
https://mainichi.jp/articles/20220324/k00/00m/040/415000c

長野県教育委員会は24日、女子生徒に対するわいせつな行為が判明した公立高校の元男性教諭への永年勤続表彰を取り消したと発表した。

県教委は懲戒処分を見送ったため、元教諭は定年退職時に長年の勤務をねぎらう表彰状を受け取っていたが、その後、県教委が再調査し「停職の懲戒処分に相当する」と判断していた。

県教委によると、元教諭は2019年、女子生徒と日帰り温泉施設に出かけ、「このまま泊まっていけたら楽なのにね」と発言。

帰りの車内で手や耳たぶを触り、「今は手でしかつながれないけど、卒業したら他のところでもつながりたい」などと話した。

女子生徒が被害を申告したが校長は県教委に報告せず、保護者の申し立てに県教委も十分な調査をしないまま、わいせつ行為ではないと判断した。

元教諭は20年に定年退職。勤続表彰は本来、減給以上の懲戒処分を受けた教員は対象から外れるが、元教諭は処分されなかったため表彰状を授与された。

21年、県のコンプライアンス部門に通報があり、県教委が再調査。元教諭は退職しているため処分されず、県教委の課長と校長は減給処分を受けた。

表彰取り消しの決定は18日付。元教諭は表彰状をすでに返還し、謝罪の言葉を記した文書も同封されていたという。