【W杯と集団的自衛権】 岡田 武史さん

安倍晋三政権が、集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈の変更を閣議決定したことを、ブラジルで知った。そんなことがあるわけはない、国会議員も国民もばかじゃない、まずは先送りだなと思っていたから心底、驚いた。帰国して、何事もなかったかのような空気に、また驚いた。

 

大国間に生きる小国として、自衛隊の存在を含め、安全保障政策については憲法解釈で対応してきた。だが、集団的自衛権までは無理があるだろう。これでは立憲国家ではなくなる。国民投票をした上で改憲し、その上で集団的自衛権の行使を認めるのなら、納得せざるを得ないが。

国民の側にも責任がある。単に選挙権だけを行使すればよいというものではない。民主党の失敗が引き金と思うが、誰が政権をとっても一緒と、半ばあきらめが出ているように思う。民主主義では、国民一人一人が責任を分担する、ということを忘れている。

よく、コンピューターに人間が支配される映画がある。今まさに皆がえたいのしれない空気に支配され、思考停止に陥っているのではと恐怖感を持っている。

日本人がメディアを信じる割合は世界でも屈指の高さで、先進国では群を抜いているとの調査結果があるそうだ。一方、最近ではインターネットで自分の欲しい情報しか見なくなっており、興味がありそうなニュースが自動的に表示されるサービスまである。

今、国民一人一人が「メディアリテラシー」(情報を読み解く力)を身に付ける必要があるのではないか。自分で疑い、考え、判断ができる。そんな教育を学校でやっていく。遠回りに見えるが、それしか道はないように思える。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/teiron/article/108511

ネトウヨガイジ空きれい👴🎌