「株価が10倍に化ける株」達人が教える"超発掘法"

株で大きな儲けを狙うなら、V字回復の期待できる企業にかけてみるのも一手かもしれない。コロナ禍で全体的に底冷えしたともいえる日本の上場企業市場。そんな中、回復が期待できるのはどの銘柄だろうか。実は探し当てるのは難しくない。
そう語るのは、証券アナリストの渡部清二氏。日本の全上場企業の業績を四半期ごとにまとめる『会社四季報』の全ページ読破を25年間も続けている、まさに「四季報の達人」だ。今回は新刊『』から、コロナ禍での有望株の狙い方を紹介する。
※本記事は投資による利益を保証するものではありません。
コロナ禍は大化け株が狙えるチャンス

業績が低迷している状態から、何らかのきっかけで業績回復に向かい始めている企業の株。それを「業績回復株」と呼びます。

株価は基本的には業績と連動し、業績が上向けば株価も上向くため、投資対象としては、このタイプの株を買っておけば、業績が回復したときに大きな値上がり益を期待できます。

ここで、前回記事でも取り上げた「元祖テンバガー・ハンター」のピーター・リンチさんの話。

リンチさんによれば、株価が10倍以上になるテンバガー株が生まれやすいのは、中小型成長株と、ここで紹介する業績回復株です。

この2つを比べると、狙いやすいのは中小型成長株。企業の業績は一朝一夕に変わるものではなく、昨日まで不調だった企業が、今日から急に儲かるようになるケースは稀だからです。

とはいえ、企業の業績は景気全体のサイクルに影響を受けるため、不景気の時期には業績が悪化する企業が増え、業績回復株として狙える選択肢が増えます。景気の影響で減収や赤字になっても、実力のある企業は確実に業績回復していくからです。

その視点から見ると、コロナ禍はチャンス。コロナ禍によって市場では一時的に株価が大きく値下がりしました。すでにコロナ前の水準まで株価が戻っている株もありますが、コロナ禍のダメージが大きい旅行、飲食、レジャー、百貨店業界などでは株価が低迷したままの株もあります。

コロナ禍はいずれ収まると考えるのであれば、このような株は業績回復株として狙い目。ほかの株と同じように、コロナ禍以前の水準まで株価が戻る可能性が十分に期待できます。なかでも、もともと業績が安定していた企業、ヒット商品やロングセラーをもっている企業、キャッシュが多く借金が少ない企業などは回復する可能性がさらに大きいといえます。

本稿では、コロナ禍でダメージを受けたかどうかにかかわらず、業績回復株を探す条件を次の3つにしました。

https://toyokeizai.net/articles/-/514334?page=2