「やられメカ」の悪夢再び ロシア戦車T-72がウクライナにやられまくっているワケ

3月22日付の同ブログは、開戦から1か月間で撃破されたロシア陸軍の戦車の総数が109両で、
うち25%強にあたる28両がT-72B3Mであると報じています。
T-72B3Mは、1972(昭和47)年から旧ソ連陸軍に配備が開始されたT-72戦車の改良型です。

新型はあるけど… 「やられメカ」多く残るワケ
イラク陸軍のT-72はソ連陸軍のT-72よりも意図的に性能が落とされた、いわゆる「モンキーモデル」であり、
またイラク陸軍の戦術も決して巧みとは言えませんでした。
それを考慮しても、M1A1とチャレンジャー1に敗北した湾岸戦争で定着した「やられメカ」の
イメージはあまりにも強く、その後T-72は輸出もふるわなくなってしまいました。

現在も兵器はロシアにとって重要な輸出品ですが、経済が混乱を極めていた1990年代前半のロシアにとっては特に、
主力戦車であるT-72のイメージ悪化と、それに伴う輸出の不振は、看過できるものではありませんでした。
このためロシアはT-72の攻撃力、防御力、機動力を大幅に強化したT-90戦車を開発することとなりました。

-90は高性能のわりに価格が安いことから、輸出市場で成功をおさめ、インドでのライセンス生産分も含めれば、
3000両以上の発注を獲得しています。T-90は輸出を前提に開発された戦車ですが、
ロシア陸軍も400両近くを導入しています。

 ただ、ロシア陸軍はT-90の調達よりも、T-72のT-72B3Mへの改修を優先しました。
T-72B3Mは既存のT-72の能力を極力T-90に近づけるというコンセプトに基づいた戦車で、
既存のT-72戦車を活用できたためです。

 こうしてロシア陸軍が大きな期待をかけたT-72B3Mは、冒頭で述べたように、
現時点で損害の大きさが際立つ結果となっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/be25ba57ec5f3f0c325a4bb0850510db17fb3908