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119番通報があったのは1月4日午前5時13分。かかってきた通報の電話は、終始無言で、呼びかけにも応答しなかった。
いたずら電話や間違い電話も疑われたが、出動せずに要救助者がいたら取り返しがつかない。携帯電話の契約情報から所有者の住所を特定、消防隊5人と救急隊3人が所有者宅へ向かった。

所有者宅に到着した隊員らは直ちに建物内を確認した。すると、居間の電気やテレビがついたままにもかかわらず、家の中には誰もいなかった。

これはいったい、どういう状況なのか。隊員は携帯電話にかけ直した。しかし、通話状態になるが、やはり無言のまま。だが耳を澄ませると、受話器の向こうからかすかに「チャラチャラ」(隊員)と水の流れるような音が聞こえた。

近くに水の流れている場所があるはずだ。隊員らはそう判断した。連絡を受けた指令室は衛星利用測位システム(GPS)で発信エリアを特定。消防本部から400メートル以内に携帯電話があることがわかった。

同時に現場の隊員らは、地図で周辺の河川や井戸などの場所を調べていた。自宅の数十メートル東側に川が流れていることがわかり、急行した。

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