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Q8.弁護士はなぜ悪い人を弁護するのでしょうか(4)

A8.
 新聞やテレビ報道等で「とんでもない超極悪人」として扱われ、犯人であることも行った犯罪行為も明らかになっていて、酌むべき事情も全くないように思える人もあります。

 そんな人でも弁護の必要はあるのでしょうか。
 その人は、今、世間中から非難攻撃されて四面楚歌の状態にあります。

 しかも、それは自分の犯した極悪非道な犯罪行為の結果ですから、いわば自業自得で、弁護の必要などないように思う人もいるかもしれません。

 しかし、そんな人だからこそ、弁護の必要があるのです。

 世間中から峻烈な非難が向けられている事件では、勢い、公正さを欠いた捜査や裁判が行われても容認されてしまいがちです。

 しかし、公正さを欠いてしまった場合、その「欠けた分」は不正義が行われたことになると思うのです。

 そうはさせないためにも、そういう事件のときこそ、弁護人は最大の勇気をふりしぼって、被疑者・被告人の立場に立って、手続に不公正はないかをチェックし、弁護を尽くす必要があるのです。
 世界中から非難されるような人であっても、弁護人がその人の味方として最後の1人になっても、その人の立場で弁護活動をするのが、刑事弁護に携わる弁護士の使命なのです。