救急搬送の女性、隊員が後頭部を1m下の床に落とす
2022/04/01 09:22

 佐賀県唐津市消防本部(青山幸生消防長)の救急隊員が3月30日、救急搬送した唐津市内の女性(90歳代)を病院のベッドに移す際、後頭部を約1メートル下の床に落とし、約1週間のけがを負わせた。青山消防長らは唐津市内の家族に謝罪。31日に同市内での記者会見で公表した。

 発表によると、30日午前、玄海町内の医療機関から女性の転院搬送の119番があった。女性は肺炎を患い、胸部に水がたまっていた。呼吸をしやすくするため、医師は救急隊員3人に対し、女性を水平に寝かせず上半身を起こした状態での搬送を指示した。

 隊員はストレッチャーで唐津市内の病院に転院搬送。ベッドに移す際、3人は女性の頭部、腰部、脚部をそれぞれ抱え持った。頭部と腰部を受け持った隊員は女性の下に敷いたタオルケットの四隅をつかんでいた。ところが腰部を担当した隊員がベッドと女性との間に立っていたため女性をベッドに移せず、隊長はいったん離れるよう指示。隊員がタオルケットを握っていた両手を離したため、女性の上半身はタオルケットから滑り落ち、フローリング床で後頭部を打ったという。

 女性は後頭部を縫うけがを負い、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血と診断された。搬送前と意識レベルに変化はなく、血腫や出血の増大はみられないという。

※略※

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220331-OYT1T50365/