「日銀は政府の子会社か?」─。5日の衆院財務金融委員会で、財務相経験者でもある立憲民主党の野田佳彦元首相が第2次安倍晋三内閣以来の金融緩和策を批判。黒田東彦日本銀行総裁が「決して子会社ではない」と語気を強めて反論する場面があった。

 野田氏は安倍、菅義偉(衆院神奈川2区)、岸田文雄の3内閣で続く「異次元緩和」を「10年目に突入しており、もはや異次元ではなくニューノーマルだ」と批判。「財政肥大化を招くなど規律を乱した。日銀に自主独立の矜持(きょうじ)はあるのか」と「政府の子会社」化をただした。

 黒田氏は「子会社ではない」の「ない」を強調して発声。「新しい日銀法により自主性は担保されている」と指摘を否定した。野田氏は「日銀は政府の負債を負う子会社」との最近の安倍元首相の発言を読み上げ「総理経験者にこんな事を言われてはおしまい。ないというならきちんと反論し続けることだ」と突き放した。(有吉 敏)
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