https://realsound.jp/2022/04/post-1000884.html

現実のコピーを超えて羽ばたかんとしているバーチャル世界。キズナアイがスリープ前のラストライブに1000を超えるバーチャルな人々をゲストとして集めたことも記憶に新しい。
雑談、ゲーム配信といったネットカルチャーやアイドルカルチャーと重なる部分が多いため、その音楽的な広がりをまだ知らないという人もいるだろう。
というのは、バーチャルロックを紹介した記事でもうすでに語ったことだ。この記事では、また別の側面について紹介していきたい

今回注目したいのは、バーチャルラップ。今年に入り、2月にピーナッツくん × Moment TokyoのXRライブ『ONAKAnoNAKA』、
3月にBOOGEY VOXX2周年(2周忌)ライブ『BLACK VOXX』という2つのイベントが行われ、盛り上がりを見せた。そう、どちらもラップを表現の手段に用いているバーチャルアーティストだ。
バーチャルラップは、ニコニコ動画に端を発するネットラップの流れを汲んでか、精力的に活動するアーティストが多く、そのどれもが粒ぞろいだ。ここではそんな彼らの魅力を紹介していく

VTuber界に殴り込みをかける豆 ピーナッツくん
ピーナッツくんは、「オシャレになりたい!ピーナッツくん」というショートアニメから生まれたアーティストだ。事情が込み入るのだが、このWebアニメは、甲賀流忍者ぽんぽこというVTuberの実の兄、
兄ぽこが一人で制作したもので、ピーナッツくんはぽんぽこのチャンネルにゲストという形ながらほぼ毎回登場している。つまりどういうことかは察して欲しい

バーチャル特異点 MonsterZ MATE
ボーカルのアンジョーとラップのコーサカで活動するMonsterZ MATEはバーチャル界隈全体を見てもかなり特異な活動をしているユニットだ。Balusに所属し、フルトラッキングスタジオを気軽に使える環境ながら、
代表的な動画はロシアンシュークリーム。それ以外のフルトラ動画も喋りがメインになっていることが多い。本人がストーリーを担当しているコミカライズが出ているなど、バーチャルアーティストとしては破天荒な活動ぶりだ

holoENからの刺客 Mori Calliope
今絶大な人気を誇るホロライブにもラッパーがいる。初配信に「失礼しますが、RIP♡」を携え、その後4連続オリジナル曲をリリースしたMori Calliope(森カリオペ)だ。
英語圏支部であるホロライブEnglish所属のライバーだが、日本からの支持も厚い。トラックメイクの技術があってオリジナル楽曲の数も多く、TAKU INOUEの『ALIENS EP』に参加するなど、かなり骨太な活動をしている

小悪魔トライアングル シュガーリリック
シュガーリリックは774inc.所属の3人組ユニットで、同事務所のハニーストラップの妹分に当たる。正統派アイドル的な立ち位置の虎城アンナ、サブカルにめっぽう強い獅子王クリス、
いたずらっぽい低音ボイスの龍ヶ崎リンで構成されている。ラップを担当するのは龍ヶ崎リンで、初配信でもそのスキルを披露していたり、3Dモデルのお披露目配信ではフリースタイルを行ったりしている。