https://news.yahoo.co.jp/articles/486ed13c6794cb90a4c78b5c8ae9c7d1c2cc3b74

住宅地から500メートルの場所で見つかったクマの巣穴…母グマ逃げ、子グマはどうなる? 札幌市西区

先週、札幌の三角山で、男性2人が母グマに襲われてから1週間が経ちました。巣穴に残された子グマたちは、今後どうなるのでしょうか。
「登山口は、いまだに閉鎖されています」

 札幌市西区の三角山です。男性2人を襲ったとみられる母グマが見つかっていないため、閉鎖解除のめどは立っていません。

 先月31日、クマの巣穴を調査していた男性2人が、巣穴から出てきたクマに襲われ、けがをしました。
 翌日、巣穴から子グマ2頭が見つかりましたが、2人を襲ったとみられる母グマは、巣穴に戻った形跡はなく、その後の行方はわからないままです。
 札幌市は、巣穴の近くにカメラを設置して観察を続けていますが、子グマ2頭が巣穴で生存している可能性があるといいます。子グマは生後2か月ほどとみられ、自力で生きていくのは難しいと専門家は指摘します。

酪農学園大学 環境共生学類 佐藤喜和教授
「(子グマは)一度も冬眠穴から出たこともないし、自力で歩き回る体力もないので、このまま母親が戻らなければ、自力で生存していくのは厳しい」「(母グマは)子グマがそれほど大きくなっていないので、一緒に逃げるのは無理だと判断したのかなと」

 札幌市には「子グマを保護してほしい」などの声も複数寄せられていますが、保護はせず「見守る」という判断をしました。

酪農学園大学 佐藤喜和教授
「立場によって考え方は色々あるが、個体を保護する仕組みも受け入れ態勢も整っていない状況」「野生動物ですので人の手を介さないことが理想的だと思う」

 巣穴は、近い住宅地までは直線距離でおよそ500メートルで、札幌市によりますと、住宅地のこれほど近くで巣穴が見つかったのは初めてだということです。

酪農学園大学 佐藤喜和教授
「近くの森にはクマが住んでいるということを踏まえたうえで日常を過ごしてもらう必要がある」

 札幌市は、今後もクマの動きを見守り、登山口を開放するかどうかの判断をするということです。