女や酒に身を持ち崩す男があるように、
形而上的貪慾のために身を亡ぼす男もあろうではないか。
女に迷って一生を棒にふる男と比べて数の上では比較にはなるまいが、
認識論の入口で躓いて動きが取れなくなってしまう男も、確かにあるのだ。