自民党安全保障調査会(小野寺五典会長)は11日、党本部で会合を開いた。相手のミサイル発射拠点をたたく「敵基地攻撃能力」を巡り意見を交わし、必要性に異論はでなかった。名称について「自衛反撃能力」「領域外防衛」「ミサイル反撃力」といった案が出た。
月内に防衛力強化に関する提言をまとめる。
会合で「敵基地攻撃」との呼び方について先制攻撃を認めるとの誤解を招く恐れがあるとして変更を求める声があがった。行使する対象範囲は相手の基地だけでなく指揮統制機能なども含むべきだとの見解が大勢を占めた。
憲法9条に基づく「専守防衛」の概念を巡っても言葉や解釈を改めるべきだとの主張があった。敵基地攻撃能力を持つにはこうした基本姿勢と整合的な具体策を練る必要がある。
岸田文雄首相は敵基地攻撃能力の保有検討を表明している。監視や迎撃に限ってきたミサイル防衛の方針を転換し、相手に「攻撃すれば報復を受ける」と思わせて抑止力を高める狙いがある。
同党の安倍晋三元首相は3日の講演で「向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ」と訴えた。相手の都市部などを攻撃するわけではなく、ミサイル発射を防ぐための措置だとの認識が背景にある。
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