熊本産アサリ、店頭販売を再開 「本物」初値は偽装前の5割高

 外国産アサリの「熊本県産」への産地偽装をあぶり出すため、2月8日から約2カ月間にわたり出荷が停止されていた県産アサリの販売が14日、県内の小売店や鮮魚店で再開された。熊本市の鶴屋百貨店の店頭価格は100グラムで税込み195円。厳しく流通管理された産地証明付きの「本物」に、偽装問題前より5割以上高い初値が付いた。

 開店20分前の午前9時40分過ぎ、鶴屋の食品売り場に県産アサリが並べられた。この日の入荷は23キロ。担当者は価格について「今が旬。地アサリは味が濃く、十分それだけの価値がある」と胸を張った。

 担当者によると、偽装問題前の「熊本県産」の価格は同110〜130円程度で推移。偽装発覚後の2〜3月に取り扱った北海道産は330円程度と高騰し、「売り上げは前年の2〜3割」に落ち込んだという。

 初日午前の売り場には「再開を待っていた」という客もちらほら。「みそ汁用に」と手に取った熊本市の女性は「産地偽装があったから、ちょっと高くても、お墨付きの安心料かな」と納得していた。

 県産アサリは12日に出荷再開。偽装防止策として砂抜き・選別を行う県認定工場には監視カメラが設置され、各段階でDNA検査を行う徹底ぶり。県認定店で販売し、売り場には産地証明書が掲示される。

 県と県漁連は6月から産地証明データベースを稼働。QRコードで消費者や販売店が産地や出荷日を確認できるようにし、県外流通も再開させる予定だ。
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