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巨大衝突で形成された月のような衛星を持つ惑星は限られている?

ロチェスター大学の中島美紀助教を筆頭とする研究グループは、地球の月のような、惑星に対して比較的大きなサイズの衛星が形成される条件を分析した研究成果を発表しました。

人類はこれまでに5000個以上の太陽系外惑星を発見していますが、その周りを公転する「太陽系外衛星」だと確認された天体はまだありません。研究グループは今回の成果をもとに、
地球の6倍以下の質量(もしくは地球の1.6倍以下の直径)を持つ系外惑星に注目すべきだと提案しています。

月は地球の生命にとって重要な存在です。発表によると、月は地球の自転周期(1日の長さ)や潮の満ち引きをコントロールしていますし、
地球の自転軸を安定させることで地球の気候を安定化させる役割も果たしています。研究者たちは生命居住可能な惑星を探す上で、月のように大きな衛星を持つかどうかが有用な手掛かりになるのではないかと考えているといいます。

研究グループは今回、地球の月のような大きな衛星が形成される条件を調べるために、コンピューター上で惑星どうしの巨大衝突をシミュレートしました。
惑星には地球に似た岩石惑星(岩石のマントルと金属のコア)と氷を主成分とする氷惑星(氷のマントルと岩石のコア)の2種類を想定。衝突シミュレーションは惑星の質量を変えながら繰り返されました。

シミュレーションの結果、大きな衛星が形成されるかどうかは惑星の質量に左右される可能性が示されました。
巨大衝突によって大きな衛星が形成されやすいのは惑星の質量が一定の値よりも小さい場合であり、反対に質量が大きい場合は大きな衛星が形成されないというのです。


初期の地球で巨大衝突が起きた時、地球の一部とテイアは融解して、地球の周りには部分的に気化した岩石からなる円盤が形成されたと考えられています。この円盤は、最終的に地球の月を生み出すことになりました。