マリウポリのウクライナ軍に露国防省が最後通告…投降しないなら「全員殺害」

4/17(日) 22:38配信
読売新聞オンライン

 【ロンドン=深沢亮爾】ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリでの戦闘で、露国防省は17日、抵抗を続けるウクライナ軍に投降を要求し、応じない場合には殺害すると警告した。マリウポリ市当局者は投降要求を拒否することを表明した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、マリウポリで「全滅」すればロシアとの停戦協議を打ち切る可能性を示唆した。

 露軍は人口約40万人の港湾都市マリウポリを3月初めから包囲し、激しい砲撃などを加えてきた。露国防省は16日、市街地を「完全に解放した」と発表し、その後、製鉄所の敷地を拠点に抵抗を続けるウクライナ軍に対し、17日午前6時(日本時間17日正午)から17日午後1時(同午後7時)までの投降を求める最後通告を出した。

 これに対しマリウポリ市長の顧問は、ロシア側の要求を受け入れず、部隊が抗戦を続けると強調した。

 17日午前の発表で、露国防省は、ウクライナ側の通信内容を傍受したとして、「投降を拒否するよう指示されている」と主張した。約2500人とされるウクライナ軍側にはカナダや欧州などの外国人雇い兵が最大400人含まれているとし、「抵抗を続ければ全員殺害することになる」と警告した。

 これに先立ち、ゼレンスキー氏は16日の自国メディアとの記者会見で、マリウポリ情勢に関し、「(自国軍が)全滅すれば、ロシアとの停戦協議は終わりを迎えることになる」と述べ、交渉打ち切りの可能性に言及した。

 ウクライナ軍参謀本部は17日、ロシア軍がアゾフ海に面したマリウポリへの上陸作戦を準備しているとの分析を明らかにした。18日から市外との出入りを全面的に禁じるとの情報もある。

 ロシア軍はドネツク州南部の要衝マリウポリを陥落させた上で、東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)の全域制圧に向けてさらに攻勢を強めるとみられる。ただ、ウクライナの国防次官は17日、ロシア軍はドンバス地方への総攻撃に向け準備を進めているものの、「ウクライナ軍の抵抗にあって総攻撃に着手できずにいる」と述べた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b09940f6fa542d570f29a32deb38feb047252204