予想を超えて世界が「はじめてのおつかい」に萌える
今回の「はじめてのおつかい」の配信については、3月31日付で日本テレビからも海外向けにニュースリリースが出ている。

実は日本テレビは、2021年11月にNetflixと契約を結び、アジア地域を中心に、30タイトルを先行配信していた。今回、全世界配信するコンテンツとして「はじめてのおつかい」が選ばれたことになる。

Netflix広報は、「詳しい経緯については話せない」としつつも、「長期的に相談してきて、ようやく形になったもの」と説明する。

「はじめてのおつかい」を選んだのは慧眼だったし、狙い通りだった、といえるだろう。Netflix側にコメントを求めると、次のような回答が返ってきた。

「日本で30年もの間愛され続けているこの番組が、Netflixで2週間配信されたいま、世界中の視聴者へ届き、愛されていることを嬉しく思います。日本テレビの『はじめてのおつかい』の話題を受けて、本当の意味でユニークな作品こそ文化や言語の壁を越えて世界で愛されることを改めて実感いたします」(Netflix担当者)

SNS上では色々な反応があるが、筆者が検索して確認した範囲で言えば、受け止められ方はおおむね好意的、と言っていい。

確かに、日本のように子どもが街中を歩いても安全な国はあまりない。幼児におつかいを頼む、という行為が「幼児虐待のように感じられる」という意見もある。日本のSNSではそのことに過敏に反応している部分があるようだ。

だが、文化や安全に対する考え方が異なること、リアリティショーの1つとして、多くのスタッフが安全に配慮して(子どもにはバレないように)撮影していることなどを理解した上で、日本人が感じる郷愁や愛らしさと同じような感覚を覚えて、番組を好意的にみている声の方が多い、と筆者は分析している。

90年代の日本でしか生まれず、その後も理解が進んだので定着している……という特殊性があるのは事実だろうが、番組の構成や演出から生まれる感情の部分は世界共通、ということなのかもしれない。

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