20年ぶり円安を導いてしまった日銀総裁、次の円安誘発発言を市場警戒
2022年4月18日 7:00 JST

およそ7年前の発言が1ドル=125円前後で円安に歯止めをかけたことから、外国為替市場で意識された「黒田ライン」―。日本銀行の黒田東彦総裁の発言が今度は逆に円安の材料になり、黒田ラインを突破して約20年ぶりの126円台へ後押しした。円安は日本経済にプラスと繰り返す黒田総裁の発言がさらなる円安を招く可能性もあり、次の発言機会に市場関係者の目が注がれている。

  13日午後3時過ぎ、黒田総裁は都内で開かれた信託大会であいさつしていた。「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」との発言が速報で流れると、米長期金利の上昇を背景にじわじわ円安に向かっていたドル円相場は、一気に125円70銭から126円台前半に駆け上がり2002年以来の円安水準を付けた。

(中略)
  インフレ高騰を受けて米国はじめ海外の中央銀行が引き締めに向かう中、日銀は金利を据え置いており、金融政策の方向性の違いを背景に内外金利差が拡大。円安が進みやすくなる中、「金融緩和一辺倒で変わらない日銀の情報発信が円売りにお墨付きを与えている」と六車氏はみる。

  日銀が長期金利の上限0.25%を突破するのを防ぐため、2月10日と3月28日に国債を無制限に買い入れる指し値オペを通告した際も円安が進行。野村証券の中島武信チーフ金利ストラテジストは「為替市場は日銀のオペや黒田総裁の発言に敏感に反応している」と指摘する。この間、鈴木俊一財務相など財務省関係者が円安けん制発言を繰り返しているが、ほとんど材料視されず、日銀への関心の高さがうかがえる。(2へ続く)

全文ソース)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-17/RAB4NYDWX2PT01
ドル円推移
https://i.imgur.com/g99EAJC.jpg