「日本への制裁になっては本末転倒」38品目輸入禁止 ロシア制裁の実効性は?(2022年4月19日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000252072.html

政府は19日からロシア産のウォッカやビールなどのアルコール飲料を、輸入禁止としました。

遠藤さんがロシアからのウォッカの輸入を始めたのは25年前。『日本ウォッカ協会』を立ち上げ、その魅力を伝えるために奔走してきました。
ロシア産の酒が専門『ヴォードチカ』遠藤洋子さん:「悲しくて、嘆かわしくて、何とも言いようがない。こういうことになるとは思っていなかった。数カ月後から欠品が出てくるので、そのうち全部売り切れて途絶える。日本の市場は大きくなかったので、これからもっと大きくしようとしていた。ウォッカがシンボリックなものであるということと、困ったら代替品があるだろうと、輸入禁止の対象に選ばれたと思う。気持ちとしてロシアと関わって一生懸命やっていたので悲しい」

今回、輸入禁止となったのは38品目。アルコール飲料のほかに自動車や洗濯機などの機械類も含まれます。ただ、どちらもロシアへの依存度は1%未満。最も輸入の割合が高いのは、木材です。

消費者への影響は、避けられそうにありません。

壁も、床も、下地に使われている“合板”は、何枚もの板を接着して作られます。こうした木材、全てロシア産が使われています。
富士ソーラーハウス・大澤正美社長:「強度とか価格とか、乾燥度合いのバランスに優れている。ロシアのカラマツ合板を使うのは、ほぼ当たり前の状態。『余っていないか』と情報交換をするが、日本全国、余っているところはない。納品までの期間が延びることをお客さまに理解してもらって、あらかじめ早めに発注していただくという対策を取っている」

今後は、木材全体が高騰する恐れもあるといいます。天井の骨組みなどに使われるロシア産の角材。輸入禁止の対象ではないのですが、仕入れは難しくなっています。
東京新宿木材市場・横瀬定光さん:「代わるものは、国内でスギくらいしかないので、生産量も限られるから、今のロシアの量から比べたら10分の1、もっと少ないかもしれないので、そうなってくると品不足になり、価格も高騰していく」

今回、政府が輸入禁止に踏み切った38品目は、金額で約150億円とみられます。ロシアからの輸入実績は、去年、1兆5000億円あまりなので、わずか1%分でしかありません。なぜ、これだけの制裁に留めたのでしょうか。
経済産業省幹部:「経済制裁が逆に自分たちへの制裁になってしまっては本末転倒。影響を最小限にするために、いろいろ考慮して判断した結果」


動画ソース
https://www.youtube.com/watch?v=xyGNW-QWrGc