>>305
 民主政や貴族政は、その本性によって自由な国家であるのではない。政治的自由は制限政体にのみ見出される。しかし、それは制限政体の国々に常に存在するわけではなく、そこで権力が濫用されないときにのみ存在する。しかし、およそ権力を有する人間がそれを濫用しがちなことは万代不易の経験である。彼は制限に出会うまで進む。信じられないことだが、徳でさえ制限を必要とするのである。

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法の精神第11編第4章同じ題目の続き
岩波文庫法の精神(上)p.289