世界最大級の無脊椎(むせきつい)動物とされるダイオウイカが20日、生きた状態で福井県小浜市宇久の海岸に漂着した。ダイオウイカは通常深海に生息し、生きたまま海岸まで漂着するのは珍しい。越前松島水族館(同県坂井市)が引き取って冷凍などでの一時保存を検討し、大型連休ごろの一般公開を予定している。
「これがダイオウイカか」。ダイオウイカが発見されたのは午前10時ごろ。市役所から連絡を受けた記者はすぐに車を走らせ、午後2時ごろ、現場に到着した。海岸を探すと、ダイオウイカが波打ち際から数メートルのところに力なく浮かんでいた。
当初は死んでいると思われたが、間近で写真や動画を撮っていると生殖器がまだ動いていた。精子の詰まった精莢(せいきょう)と呼ばれるものを放出しており、最後まで遺伝子を残そうとする生物の本能を感じた。アンモニア臭が強く、味はよくないとの評判を聞いていたが、よほど近くに鼻を近づけない限りはにおいは感じなかった。
https://mainichi.jp/articles/20220420/k00/00m/040/210000c?fm=ldn