多くの現代若者が苦しむ「望まぬ孤独」悲痛な実態

消えたい、死にたい……。若い世代のそんな声が消えない。1990年代後半から2000年代生まれの若者「Z世代」からは相談が途切れない。NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さん(23)は、その実態を誰よりも知る1人だ。インターネットを利用した無料・匿名のチャット相談を設けて2年。彼らは何を訴えているのか。大空さんに聞いた。

日本社会での「孤独」の現状は深刻だ。心の病気で病院に通ったり入院したりしている人は約419万人。児童虐待の通報は年間約19万件。性暴力被害者のうち警察に相談できていない人は96%。さらに、一時よりは減ったといえ、自殺者も年間約2万人に達している。とくに10〜39歳では死因の1位が自殺。先進7カ国(G7)の中で、15〜34歳の死因1位が自殺なのは日本だけだ。

 「あなたのいばしょ」はそうした背景に“望まない孤独”があると考えている。誰かに話したいのに話せない、頼りたいのに頼れない。相談相手との出会いは奇跡か偶然しかない――。それを根本から変えるのが、自らに課した大空さんのミッションだという。

■社会に積極的に声を上げられる若者は一部

 ――Z世代はいま分断が起きている、と大空さんは話しています。いま、若者の現場で何が起きているのでしょうか。

 「命を絶ちたい」「オンライン授業を聞いているとき、何もしていないのに勝手に涙がでてくる」「オフラインで学校になかなか通えていないので、学校に頼れる人がいない」「実家にも帰れない」……。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3540c82e632a549bdab21ad496297a8d1e5cc3e4