https://news.livedoor.com/topics/detail/22052194/

これまで私は、子どもから高齢者まで、幅広い年代の方の健康と向き合ってきました。その中で思うのは、やはり、健康のベースは日常生活の過ごし方にあるということです。

どんなに治療をほどこしても、食生活をはじめ、健康にいい習慣が身についていなければ、また病気になってしまう。そんなケースが多くみられます。

それほど、健康にいい習慣を身につけるのは難しいということ。

そこで私が提唱したいのは、「新しい間食習慣」です。

間食と聞くと、「体に悪いこと」「してはいけないこと」と思われるかもしれません。

たしかに、間食と聞いてイメージする食品には、砂糖たっぷり高カロリーで、体に悪そうなものもあります。

しかし、適切な食品を選べば、むしろ間食で健康効果が期待できるのです。

3食、毎日健康にいいものを選んで、調理などして食べる「健康的な食生活」よりも、間食で健康にいいものをぱくりと食べ続ける「間食健康習慣」ほうができそうな気がしないでしょうか。

では、どんな食品が間食に適切なのか。

私がおすすめするのは、次の3つの要素を含んだものです。

・老化を防ぐ「ポリフェノール」がたっぷり入ったもの
・太りにくいもの(GI値が低いもの)
・おいしくて、手軽に食べられるあまいもの

実は、これらの3要素を満たす、間食に適した食品があります。

それが、カカオ成分を70%以上含む「高カカオチョコレート」です。

特筆すべきは、そのポリフェノール量。カカオ72%のチョコレ―トには、赤ワインの約15倍、りんごの約12倍ものポリフェノール量が含まれています。

植物に含まれるポリフェノールですが、意外に自然の食品から摂ることが難しい栄養素です。その点、カカオ豆から種皮と胚芽を取り除いたカカオマスには、ポリフェノールが豊富に含まれているのが特徴。カカオマスを原料とするチョコレートは、少量で効率よくポリフェノールを摂取できる、貴重な食品なのです。

そして、高カカオチョコレートには自然なあまさがあり、しっかりと幸福感を与えてくれる。最近は、スーパーやコンビニエンスストアなどでもよく見かけるようになり、手にもいれやすい。

つまり、継続性にとても優れた間食といえるのです。

ビジネスパーソンに神の食べ物? 
でも、「そんなすごい健康食品が、なぜ今まで見過ごされてきたの?」と思う方もいるかもしれません。

それは、チョコレートが嗜好品として日本に入ってきたため、日本では健康食品ではなくあまくておいしい食べ物として広まったからです。

世界に目を向ければ、チョコレートの原料であるカカオの健康効果は、昔からよく知られていました。古代アステカ文明では、チョコレートは「テオブロマ」とあがめられ、その効能の高さから、神への供物や薬として珍重されてきたといいます。

テオブロマとは、ギリシャ語で神の(theo)食べ物(broma)という意味。

その学名を持つ、カカオ(Theo broma Cacao)に含まれる栄養素が、「テオブロミン」です。

自然界でテオブロミンを含有する植物はごくわずか。カカオ豆のほかにマテ茶の原料の灌木やコーヒーの木など、限られた植物にのみ含まれる貴重な成分です。

テオブロミンには、大脳皮質に作用して集中力を高めたり、自律神経を調整して脳や体をリラックスさせたりする効果があります。また、幸せホルモンといわれるセロトニンの働きを助ける作用もあります。