カフェやスーパーが立ち並ぶ駅前=三田市福島
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ウッディタウンの玄関口・JR新三田駅(兵庫県三田市福島)前の土地区画整理事業が完了した。長年開発が制限され田畑が広がっていた一帯だが、ここ5年でスーパーやカフェなど9カ所が開業。16日にあった完成式では、関係者らが「待ち望んでいたハード面の整備が実現した」と喜び合った。(小森有喜)

駅は1986年に開業。大阪方面への始発駅で国道176号に隣接しており、現在はウッディタウンの住民や関西学院大学神戸三田キャンパスの学生らを中心に、1日あたり約2万8千人(2019年度)が利用している。

市は1980年代からニュータウンや三田駅前を開発の中心と位置づける一方、他の地域での開発を抑制。新三田駅周辺も市街化調整区域に含まれ、農業以外での土地利用が制限されていた。

しかし開発を望む声は強く、地域内に駅がある福島の住民有志がまちづくり構想などを提案。こうした働きかけもあって市は方針を転換し、2016年春、新三田駅を整備が可能な「市街化区域」に編入した。土地区画整理組合の設立を経て17年夏に事業が認可され、同年秋から工事が進められてきた。

駅を挟んだ三つのブロックに分けて開発が進み、スターバックスコーヒーやコメダ珈琲店といった人気店のほか、スーパーのラ・ムーも出店。今後、西側にホテルの建設も予定されている。

また、以前は西側にしかなかったロータリーが東側にも完成し、公園や水路も整備した。総事業費は約10億8300万円。土地の売却代金や公共用地に対する市の負担金などを充てた。

生まれた頃から福島地区で暮らす土地区画整理組合の辻正明理事長(71)は「事業としての区切りは迎えたが正念場はこれから。行政とも連携しつつ、関学大生をはじめ若い人がより多く住んでくれるまちにしたい」と話した。

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