英仏海峡を渡ってきた難民をルワンダへ移送
https://www.bbc.com/japanese/61137293

イギリス政府は、欧州から英仏海峡を渡ってきた亡命希望者の一部を、東アフリカのルワンダへ移送する新たなスキームを発表した。
難民支援団体は、この計画を残酷だと批判している。

この試験的な計画は15日に発表された。ボートやトラックの荷台などに乗ってイギリスに到着した独身の男性を対象とする予定。
プリティ・パテル内相が、ルワンダの首都キガリで協定を交わした。

ボリス・ジョンソン首相は、この計画に1億2000万ポンド(約200億円)を投じると述べ、人身売買から「無数の命を救う」ことになると話した。

現在明らかになっている移送計画

・新たな計画では、主に小型船やトラックなどでイギリスに不法入国した独身男性に焦点を当てる
・1月1日以降にこのような手段でイギリスに到着した人々はルワンダに移送され、そこで亡命申請が処理される可能性がある
・申請が検討されている間は宿泊施設と各種支援が提供され、いつでも自由に宿泊施設を出入りできる
・イギリス政府によると、亡命申請が受理された人々は、ルワンダで「新しい生活」を築き、最長で5年間の教育や支援が受けられる
・申請を拒否された人々は、ルワンダへの残留申請の機会が与えられるか、出身国または居住する権利を有する他の国へ移送される
・最初の移送は数週間以内に始まる予定

「人身売買から守るため」と英首相

ジョンソン首相は、「卑劣な人身売買業者」が海を「水の墓場」に変えてしまうのを阻止する必要があり、
この計画はそうした業者のビジネスモデルを破壊するために考案されたと述べた。

「私たちの思いやりは無限かもしれないが、人々を助ける能力は無限ではない」

「私はイギリスの納税者に、ここに来て住みたいと思う人のコストをカバーするために、金額欄が空白の小切手を切ってくれとは言えない」

一方で、ルワンダに移送できる人数は「無制限」だとした。
また、同国について、今年の初めから「不法に」到着した人々を含めた
「何万人もの人々を、今後数年にわたって再定住させる能力」を持っていると語った。