『チーズはどこへ消えた?』410万部の“百刷本”が、コロナでまた大売れ

日本では、いまから20年以上前、2000年に発売されるやベストセラーとなり、以来、
増刷を重ねて110刷、累計410万部をこえるという、超ロングセラーなのだ
(ちなみに全世界では2800万部超だとか)。

そんな『チーズはどこへ消えた?』が、昨今、また売れているというのである。 そもそも、
どんな本なのか。話の中核になっているのは、まるで童話のような物語だ。

迷路のなかに、2匹のネズミと2人の小人が住んでいる。彼らの目的は、チーズだ。
チーズをもとめて、2匹と2人は迷路のなかをさまよってきたのだが、ついに大量のチーズがある
ステーションを発見した。おいしいチーズにありつけるようになり、彼らは幸せな日々を送って
いたのだが、ある日突然、ステーションのチーズが消えてしまった!

2匹のネズミはさっそく新しいチーズを探して走りだしていくが、小人たちはそうはいかない。
なぜこんなことが起きたのか? ステーションにチーズが復活するのではないか?
外の世界へ探しに行くのは危険すぎないか? 考えはつきない。

いったい、小人たちはどうするだろう。……というような、わずか94ページの薄い本である。
それが、なぜこれほどのベストセラーになったのか。

・チーズは、自分が人生で追い求めるもの
この物語の主眼になる「チーズ」は、わたしたちそれぞれが人生で追いもとめるものを象徴している。
仕事のうえでの成功であったり、家族の幸せであったり、財産であったり、健康であったり、
はたまた恋愛であったり……読む人が、それぞれ自分の立場に引き寄せて考えることができる。

『チーズはどこへ消えた』 また、この物語の発端になるのは、その「チーズ」が突然消えてしまう
というシチュエーションだ。安定していると思ったものが、急に失われてしまうという変化は、
人生で起こりがち。

だれの身にも降りかかるそんな変化に、どのように対処していくか。この物語では、
そんな普遍的なテーマが語られているのだ。
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