Netflixは2022年第1四半期(1〜3月)の決算発表で、過去10年間で初めて会員数が減少したことを明らかにしました。これに伴い、Netflixはオリジナル作品への投資戦略を変えることを目論んでいると報じられています。

Netflixは2021年に500以上のオリジナル作品を配信してきましたが、この「質より量」を重視した投資戦略を「量より質」を重視したものに変更する計画であると報じられています。ウォール・ストリート・ジャーナルが独自に入手した情報によると、Netflixはリスクを制限するために取引を刷新し、最大のリーチではなく最大のリターンを得られるような優良タイトルに投資を集中する計画であるとのこと。なお、Netflixにとっての主要な内部指標は「タイトルの視聴率と予算の比率」だそうです。

ただし、Netflixがオリジナル作品への投資額を減らす予定はないようです。Netflixは2022年のオリジナル作品への投資額を200億ドル(約2兆6000億円)超にまで増やす計画だそうで、同社のグローバル部門のヘッドであるベラ・バジャリア氏は「我々は常に素晴らしいコンテンツを作り、クリエイターのビジョンを実現するのに必要な金額を投資する予定です」とウォール・ストリート・ジャーナルに回答しています。

Netflixは2億2000万人以上の有料会員を抱える世界最大級の映像ストリーミングサービスですが、近年はHBO Max、Disney+、Amazon Prime Video、Apple TV+といったサービスとの競争が激化しています。各サービスはユーザー獲得のためにオリジナルコンテンツの作成に資金を投入し続けており、中でもNetflixはいちはやくオリジナル作品に多額の資金を投入してきました。

ただし、Netflixは上手くいかなかったオリジナル作品を即座に打ち切ることでも知られています。

Netflixは数々のヒット作を生み出してきましたが、イカゲームのように他のヒット作と比較して制作費が少ないタイトルも存在します。イカゲームのプロデューサーはウォール・ストリート・ジャーナルに対して「新シーズンは話数を減らすことでコストを削減しようとしている」と語りましたが、バジャリア氏は話数が短いタイトルについて、「(資金面での影響ではなく)常に創造性についての問題から」と説明しています。

なお、Netflixの有料会員数が減少したことは、同社の従業員の士気低下にもつながったと報じられています。

https://gigazine.net/news/20220426-netflix-invest-fewer-better-originals/