反ワクチン接種団体員「小規模会場探した」 建造物侵入罪で3人起訴
https://news.yahoo.co.jp/articles/e87da38f87718d911710efab7bbfb229352f9957
 今月7日に新型コロナウイルスワクチンの接種会場だった東京都渋谷区のクリニックに
反ワクチン接種団体「神真都(やまと)Q会」のメンバーが侵入したとして逮捕された事件で、
団体メンバーが「小規模な会場を探した」と供述していることが捜査関係者への取材で判明した。
警視庁公安部は、小規模会場なら抗議活動を恐れて接種を中止する可能性が高いと判断したとみて調べている。

 捜査関係者によると、同団体は3月、ワクチン接種に抗議するため、文京区の東京ドームや新宿区の複合スポーツ施設など
大規模会場を訪れて抗議活動をしようとしたが、警備員らに止められていた。
逮捕されたメンバーは「大規模な会場ではうまくいかなかった」などと供述したという。

 メンバーが利用していたスマートフォンの無料通信アプリには、都内の自治体幹部の実名を挙げて
「家を見てきた」とするコメントなども記録されており、幹部宅への抗議活動を検討していたとみられる。

 同団体の組織の実態も解明されつつある。リーダー格5人でつくる「執行管理部」の下に執行部を設け、活動方針などを決定。
執行部の中には抗議やデモを担う「アライアンス」、医療機関に抗議文を送る「ポスティング」、活動に賛同する人の集住地をつくる
「村おこし」といった担当を設け、さらに地域ごとにリーダーやサブリーダーを置くなど組織化を進めていたとみられる。

 東京地検は28日、7日に現行犯逮捕された4人のうち、千葉県市川市、職業不詳、中川昇(64)▽東京都豊島区、
無職、高野珠里(じゅり)(41)▽埼玉県ふじみ野市、飲食店従業員、三輪麻希子(49)――の3容疑者を建造物侵入罪で起訴した。
残る1人は処分保留とした。

 事件では、7日に同じクリニックに立ち入ったとして、同団体リーダーで元俳優の倉岡宏行容疑者(43)が20日に
建造物侵入容疑で逮捕された。倉岡容疑者の逮捕後、同団体はホームページ上で、予定されていたデモの中止や
入会申し込みの受け付け停止を表明。警視庁幹部は「活動の先鋭化に歯止めがかかるかどうかは、
引きつづき注視が必要だ」としている。【斎藤文太郎】