ドルに対するウォン相場が28日、コロナが本格化した2020年3月以降初めて1270ウォン台を突破した。洪南基(ホン·ナムギ)副首相兼企画財政相が同日、「ウォン安ドル高が非常に早い」と口頭介入に乗り出したが、これをあざ笑うように為替レートは、7ウォン以上上がった。

この日、ソウル外国為替市場でウォン·ドルレートは前日より7ウォン30銭上がった1272ウォン50銭で引けた。4月20日(1236ウォン10銭)以降、終値基準で6営業日連続で上昇した。為替レートが1ドル1270ウォンを超えたのは2020年3月19日(1285ウォン70銭)以来2年1か月ぶりのことだ。

ウォン高が続いたことを受け、洪副首相は同日、外国為替市場の開場前に非常経済中央対策本部会議で「今週に入ってウォン高ドル安が非常に早い状況だ」とし「急激な市場の偏りが発生しないよう、綿密にモニタリング中だ」と口頭介入を行った。

洪副首相は12日に為替レートが1230ウォンを超えた際も、外信記者懇談会で「市場安定措置を取る準備ができており、また必要であればする」と述べていた。25日、為替当局レベルで行われた口頭介入まで含めると、政府が4月だけで3度も警告メッセージを出したが、為替レートの急騰を防げなかったのだ。

この日の対ドルウォン相場は午後に入り、日銀の金利凍結で円安が進み、ドル高が進むと同時にウォン高が進んだ。最近の為替相場は、米中央銀行(Fed)の強力な緊縮予告と中国封鎖措置による景気減速への懸念が重なり、急騰している。主要6か国対比ドル価値を示すドルインデックスも同日、103台を超え、2017年1月以降最高値を記録した。


韓国政府は、対策作りに苦心している。ウォン高が輸出増大の効果よりは輸入物価を高め、インフレを加速化させる否定的な側面が浮き彫りになっているからだ。しかし、政府は、これまでは為替レートを引き下げるための強力な市場介入よりは、口頭介入とスムージング·オペレーション(微細調整)水準の動きを取っている。企画財政省関係者は「ドルを除いた主要通貨も弱含みに陥っている状況だ」とし、「物価や景気回復の勢いなどを総合的に考慮し、対策をまとめていく」と話した。

イ·チャンヨン韓国銀行総裁も25日、最近のドル高を取り上げ、「ウォンの切り下げ幅が他の国に比べて深刻な方ではない」と述べた。その後、外国為替市場ではドル高のムードが強まっている。市場では為替相場が、1280ウォン台まで上昇する可能性があるという見通しが出ている。

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