知床半島沖で観光船が沈没した事故で、事故の3日前に行われた国による船舶検査の際、運航会社の「知床遊覧船」が携帯電話を通信設備として申請し、検査を通過していたことがわかりました。

29日、海底に沈んでいるのが見つかった観光船「KAZU I」は、事故の直前の今月20日に法律に定められた「日本小型船舶検査機構」による検査を受けていました。

この際、運行会社側が船への搭載が必要とされる陸上との通信設備として、それまでの衛星電話から携帯電話への変更を申請していたことがわかりました。

国土交通省によりますと、検査機構の担当者は周辺の漁業関係者から知床遊覧船の航路の周辺海域では「携帯電話での通信が可能」と聞き取っていたほか、
船を検査した際に「KAZU I」の豊田徳幸船長に陸上との通信が確実に可能かどうか尋ねたところ、つながると答えたことから変更を認めたということです。

しかし、申請があった携帯電話会社の電波は現場海域で届かないところがあるとされていて、検査機構の担当者も船に乗って航路上で携帯電話の電波を確認することはしていなかったということです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1b423e19cfe3c9e058bfec3ac1247468b72ef268