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町は22日に記者会見を開催。経緯を説明し、花田憲彦町長が「痛恨の極み」と頭を下げた。町は警察にも事情を説明。今後については刑事告訴や民事訴訟も視野に対応を検討している。

ただ中野副町長によると、28日時点で世帯主とは連絡が取れなくなっている。自宅を訪問しても姿は見えず、「雲隠れしてしまったようだ」とこぼした。

罪に問えない?

他の自治体でも同様の問題は起きている。大阪府摂津市では平成30年、市内に住む男性に住民税の還付金を約1500万円を過大に払うミスが発生。市は返還を求めたが、男性側は「市側の誤り。使ってしまったので、返す義務はない」などと拒否した。

事態は法廷闘争に発展し、大阪地裁は昨年10月、男性に全額の返還を命じた。地裁は男性が株取引で生計を立てていたとし、還付金制度などについて「相当深い理解があった」と指摘。受領に「悪意」があったと認定した。摂津市によると判決は確定したが、男性側からの返還はないという。

今回の阿武町の受給世帯主は、「罪は償う」と発言したとされる。今後、刑事事件に発展する可能性はあるのか。

甲南大の園田寿名誉教授(刑法)は誤入金された現金を引き出す行為について「学説が分かれている」と前置きした上で、「民事判例では、口座の名義人が預金を引き出すことは正当な行為として認めている」と指摘。「誤入金と認識し、金を動かしていたとしても詐欺や窃盗、電子計算機使用詐欺などの罪に問うことは難しいと考えられる」と明かし、「民事で不当利得返還請求を行うのが妥当だろう」と述べた。