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 歩道橋から飛び降りようとしていた女子高生を説得して助けたとして、富士宮市万野原新田の会社員、吉田紘将(こうすけ)さん(24)が富士宮署から署長感謝状を受け取った。吉田さんは「声をかけるのは恐怖心も少しあったけど、体が自然に動いた感じ。助けることができてよかった」と振り返った。(佐野周平)
 三月中旬の昼ごろ、JR富士宮駅前の歩道橋で友人を待っていた吉田さんは数メートル先に女子高生が視界に入った。胸ほどの高さの手すりから下の車道に向かって片足をまたいだ状態で、両足は靴を脱いで靴下姿だった。
 「どうしたの?」。吉田さんは女子高生と目が合うと、ゆっくりと近づきながら努めて冷静に声をかけた。女子高生は最初は無言だったが、声をかけ続けると返事をするようになり、自ら手すりから足を下ろした。
 吉田さんはベンチに座るように促し、「危ないよ」などと諭すと、女子高生は途中から泣き始め「いろいろ嫌になっちゃった」と漏らした。しばらくして、吉田さんは署に通報。間もなく現場に来た署員に引き取られた。
 署によると、女子高生は市内在住。悩みがあって自殺しようとしたと明かした。迎えに来た母親に泣きながら、「もうこんなことしない」と誓っていたという。
 「ありがとうございました。これから学校に行くみたいです」。約一週間後、吉田さんに女子高生の親から電話があった。吉田さんは「前向きになれているのかなと、うれしかった」としみじみ語った。

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